【院内講演会 開催報告】

当院では12月17日、職員研修の一環として「緩和ケアの基本と中央病院でしていること~薬物療法と多職種チーム医療~」を演題に、島根県立中央病院より総合診療科部長の今田敏宏先生を招いた院内講演会を開催しました。医師・看護師・コメディカルをはじめとする多職種の職員が参加し、緩和ケアに関する知識と実践力の向上を目的とした学びの場となりました。

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講演ではまず、緩和ケアの基本的な考え方について整理が行われ、病気の進行段階にかかわらず、患者さんの苦痛を早期から評価し、適切に対応していくことの重要性が共有されました。

また、講師が所属する県立中央病院で実際に行われている緩和ケアの取り組みが紹介され、日常診療の中で多職種がどのように連携し、患者さんとご家族を支えているかについて具体的な事例が示されました。

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痛みへの対応については、鎮痛目標の設定の重要性や、痛みの程度に応じた薬物療法の考え方が解説され、オピオイドやNSAIDs(レスキュー)の使い分け、調整のポイントについても触れられました。

そして終末期医療においては、医師と患者本人だけでなく看護師、社会福祉士などが情報を共有しケアチームとなり、それぞれの専門性を生かして関わる多職種チーム医療がより望ましい旨の説明を受けました。事後ではなく経過に沿って多職種カンファレンスを実施することで、患者さん、またご家族へも理解のある説明や治療方針が展開できるという点を重要視されました。

講演後の質疑応答では、参加した医師からも多くの意見や質問が寄せられ、日常診療における課題や工夫について活発な意見交換が行われました。

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本講演会で得られた知識と視点を、今後の診療・看護・支援の現場に生かし、当院における緩和ケアの質向上につなげてまいります。

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