検査室では大きく分けて血液・尿・便・喀痰・胸腹水・関節液など、身体の体液や排泄物を調べる検査や、心電図・肺機能・超音波・脳波・神経伝達速度など生理機能を調べる検査をしています。
- 一般検査:検尿・検便・喀痰検査・穿刺液(胸腹水、関節液、髄液)検査
- 血液検査:生化学検査・免疫検査・貧血検査
- 生理機能検査:心電図・肺機能・超音波・脳波・神経伝達速度・血圧脈波・視力・聴力・
眼底・眼圧
また、必要時応じて輸血検査や病理検査、細菌検査なども行っています。

一般検査
検尿・検便・喀痰検査・穿刺液(胸腹水、関節液、髄液)検査があります。
血液検査
静脈または動脈から約10~20mlくらいの採血をして機械にかけて調べます。
結果は、院内で測るものでは通常30分~40分くらいで分かります。
生化学的検査 | 総蛋白・アルブミン・電解質(Na・K・Cl)・腎機能(BUN・クレアチニン)・各種酵素(AST・ALT・LDH等)・脂質(コレステロール・中性脂肪等)・尿酸・アンモニアなど |
腫瘍マーカー | PSA(前立腺癌)・CEA(大腸・膵癌等)・CA19-9(膵・肝癌等)・AFP(肝癌)など |
ホルモンなど | TSH・FT4・FT3・BNPなど |
感染症検査 | B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIV(エイズ) |
凝固検査 | プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、フィブリノゲン(Fib) |
血液学的検査 | 白血球数、赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値、赤血球恒数(MCV・MCH・MCHC)、白血球分類(好中球・好酸球・好塩基球・単球・リンパ球)、網状赤血球数、幼弱細胞・異常細胞の有無、 細胞形態の観察 |
糖尿病関連 | 血糖・ヘモグロビンA1c |
心筋マーカー | トロポニンT・CKMB・BNP |
血中薬物濃度 | ジゴキシン・テオフィリン・バンコマイシン・フェニトイン・バルプロ酸など |
血液ガス | pH、pCO2、pO2、HCO3、BE、tHb、Hct、SO2、FMetHb、Na+、K+、Ca2+、Cl、AnGap Glu、乳酸など |
血液培養検査 | 大腸菌・ブドウ球菌・肺炎球菌・インフルエンザ菌・真菌など |
生理機能検査
●心電図検査(12誘導)、ホルター心電図・血圧計検査(24時間)

●肺活量検査

●超音波検査 エコーは非侵襲性で安心して受けられる検査です。

●神経伝達速度検査

この検査はやや痛みを伴いますが、検査時間は約20分程度です。
●脳波検査

●血圧脈波検査

輸血検査
●どんなときに輸血検査をするのか?
血液は赤血球・白血球・血小板といった細胞成分と血漿成分からできています。
充分な血液を作れない場合や大量出血で生命に危険がある場合、血液を固めるタンパク質が不足し出血の危険がある場合、それらを補うために輸血を行うことがありますが、安全な輸血を行うために血液型検査、交差適合試験(クロスマッチ)や不規則抗体検査を行っています。
●安全かつ適正な輸血とは?
輸血後の副作用がおきないように、使用する血液製剤が受血者(患者側)と適合するかを検査してから輸血が行われます。
●輸血の副作用とは?
まれに適切に輸血されたにもかかわらず、輸血を受けてじんましんや発熱、呼吸困難、血圧の変動などの副作用や感染症が起こることがあります。
万が一副作用が起きた場合、輸血副作用対応ガイドラインに従い副作用の対応ができるよう準備しています。
●輸血の流れ
- ①輸血についての説明と同意(インフォームド・コンセント)
- ②輸血前の検査(血液型検査、交差適合試験、不規則抗体検査)
- ③輸血の実施
- ④輸血に伴う副作用の確認
病理組織・細胞診検査
病理組織検査
内視鏡や手術により患部の一部ないし全部から採取された組織で病理組織標本を作成します。顕微鏡で病理組織標本を観察し、病名を病理医が判定します。
病理診断は最終診断と言われています。医療技術の進歩により、高い確率で癌などの病気の程度や広がりの診断ができます。
結果は通常3~10日程度で分かります。
細胞診検査
尿や喀痰、体腔液(胸水・腹水・髄液)、子宮頚部・体部擦過で採取された細胞の中の癌細胞の有無を調べる検査です。
尿や喀痰は患者様が簡単に採取していただくことができます。
体腔液や子宮擦過物は医師が採取します。採取された検体は標本となり、細胞診認定医と細胞検査士が顕微鏡で診て診断しています。
細胞診は比較的侵襲の少ない検査で近年はヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮がんが注目され若い世代への子宮がん検診の普及活動に力が入れられています。
結果は通常2~3日程度で分かります。
こんな検査もやっています!
睡眠時無呼吸症候群(SAS)をご存じですか?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは眠っているときに呼吸停止または低呼吸の状態が引き起こされる病気で、日中に強い眠気に襲われたり、夜間の頻尿になることがあります。睡眠時に症状が現れるという特性上、発症していても自覚していない方が多く、日常の生活に様々な影響を及ぼすだけでなく、高血圧や心血管系障害の発症や悪化につながります。
原因の一つとして肥満が挙げられ、生活習慣病の一つとして取りあげられています。
検査はまずパルスオキシメータと呼吸センサーを装着し、血液中の酸素濃度を調べます。
その結果からSASが疑われる場合、1泊入院して終夜ポリソムノグラフィーという検査を行います。眠りの深さや睡眠の質などを判定すると同時に呼吸の状態を評価します。これにより無呼吸(10秒以上の呼吸停止)や低呼吸(呼吸によって換気が通常の半分になっている状態が10秒以上)が睡眠1時間あたりに発生している回数を調べ、SASを診断します。
スタッフ紹介
検査科で働く仲間を紹介します。
現在6名で頑張っています。
私達は患者様のお役に立てるように心がけ、全員が上質の検査ができるように日々技術の向上に励んでいます。